耐震診断・使用停止から公会堂存続決定にいたる経緯

 

2006年4月 それは突然の新聞報道から始った
2006年5月 米子市文化協議会 ホール部門会議開催
2006年6月 米子市教育委員会と懇談会
2006年9月 「米子市公会堂の充実を求める会」を発足
2006年12月 野坂市長面談
2007年4月 市に公開質問状を提出
2007年8月 「公会堂をもっと知ろう会」を開催
2008年3月 耐震調査費2008年度にも計上されず
2008年6月 「市民の自治と公共ホール」講演会開催
2008年9月 2008年度総会開催
2009年10月 2009年度総会開催、取組みを確認
2009年10月 藤木竜也先生の講演開催
2009年11月 アンケート実施
2009年12月 2009年度、公会堂の耐震調査開始
2010年3月 耐震強度調査結果の発表、公会堂使用停止へ
2010年5月 2010年度総会開催、市民会議発足へ
2010年6月 「米子市公会堂の存続と早期改修を求める市民会議」発足
2010年7月 7月議会へ陳情書提出、4万人以上の署名が集る!
2010年7月 「米子市公会堂の設計者 村野藤吾」講演会
2010年7月 7月議会で陳情書は継続審議に
2010年9月 9月補正予算に追加調査の予算計上されず
2010年9月 9月議会で、12月前に存廃方針を出す可能性が示される
2010年9月 「市民会議報告集会」開催
2010年10月 9月議会で陳情は継続審議に
2010年10月 9月議会で図書館・美術館の設計予算執行停止の議決
2010年10月 「あなたのイチ押し公会堂写真展」開催
2010年10月 米子市が市民3,000名に公会堂存廃アンケートを実施
2010年11月 野坂米子市長が存続の意向を表明
2010年12月 米子市公会堂シンポジウムを開催
2010年12月 公会堂存続の署名陳情が12月議会で採択される
   

それは突然の新聞報道から始った(山陰中央新報)

2006年(平成18年)4月20日、5月8日付けの新聞に「米子市公会堂“維持か閉鎖か”」の報道。 公会堂を使用する文化団体にとって信じがたい、まさに「青天の霹靂」でした。

米子市文化協議会 ホール部門会議開催

2006年5月18日、新聞記事を受け米子市文化協議会ホール部門会議を開催。その会で米子市公会堂の必要性を確認し、文化協議会に未加盟の団体へも広く呼びかけ検討会を立ち上げることを確認しました。

米子市教育委員会と懇談会

2006年6月13日、米子市教育委員会(市のホール担当課)に、記事内容と改修について以下を確認しました:

  1. 公会堂の今後のあり方を検討に入るのは事実だがすぐに閉鎖とかではない。
  2. 耐久調査等を行なっていないので、今後調査をする予算計上が必要。
  3. 今後は利用者の意見を聞いて公会堂をどうしていくのか進めていきたい。

その後、「米子市公会堂を考える会(仮称)」として米子市議選挙立候補予定者に「公開質問状」を出しました(46名中12名より回答)

「米子市公会堂の充実を求める会」を発足

2006年8月8日、9月13日の2回の結成総会を開催し、公会堂が県西部の文化のシンボルであると確認。「閉鎖」ではなく、米子市民をはじめ広範な地域住民の貴重な財産である公会堂の存続と充実発展を求める「米子市公会堂の充実を求める会」を発足しました。公会堂のホール部分の改修(特に空調・照明等)や付属館「集会室」の改築の必要性を検討したり、公会堂を取り巻く文化創造をいかに発展するかを考える会としました。

野坂市長面談

2006年12月25日、野坂米子市長と教育長へ会の発足の挨拶を行ないました。このときに野坂市長は2007年度(平成19年度)に耐震震度調査を行い公会堂の検討に入ると明言され、会としては耐震強度の調査結果を待ちながら活動を行なうこととしました。

市に公開質問状を提出

市の明言と異なり、3月議会に提案された19年度予算に耐震強度調査費用が計上されませんでした。 米子市公会堂の充実を求める会は、米子市に下記の2点について公開質問状を提出し、市の真意を問いました:

  1. 19年度耐震強度調査の予算がつかなった理由は?
  2. 今後の米子市公会堂についての考えは?

市の回答

市は、今後どうするかは調査・検討との回答でした。この回答を受けて会は直接の説明会を要請し、@公会堂の耐震強度調査は財政難で見送る(平成19年度は河崎小学校のみ調査実施)ことと、A公会堂の今後は将来の耐震強度調査結果やニーズ・稼働率など調べて検討すること、を確認しました。この説明会のとき、会から以下の3点の要望を確認しました:

  1. 耐震調査は平成20年度には実施して欲しい。
  2. ホールはそれぞれの特色がある。公会堂の代わりはなく無くてはならない施設だと認識して欲しい。
  3. 調査・検討は、行政側だけでなく、当会も加えて欲しい。

「公会堂をもっと知ろう会」を開催

2007年8月27日、「公会堂をもっと知ろう会」を開催し、外観見学(村野藤吾のデザイン)、舞台見学、普段なかなか行く機会のない照明室や映写室、奈落の見学をしました。まだまだ知らない米子市公会堂の建築物としての素晴らしさ、ホール設備の奥深さを感じました。

耐震調査費2008年度にも計上されず

2008年になってから耐震強度調査費について米子市議会議員の方へのアプローチなどを行ないましたが、2008年度も米子市公会堂の耐震強度調査費は計上されませんでした。

「市民の自治と公共ホール」講演会開催

2008年6月26日、千葉県我孫子市前市長福嶋治彦氏を招いて、〜市民と行政の協働を考える〜「市民の自治と公共ホール」と題しての講演会を300名の参加で行ないました。米子市公会堂の問題については、「公共ホールは町創りの拠点になる開かれた場所で、文化政策を発信していく場所である。米子市公会堂はまさに自治と文化の殿堂といえる。」と語られました。

2008年度総会開催

2008年9月9日、米子市公会堂の充実を求める会の総会を開催。公会堂の充実について討議確認しました。

2009年度総会開催、取組みを確認

2009年10月5日、総会を開催。2008年度は耐震強度調査待ちに終始し、公会堂の充実に向けて活動内容が創り出せなかったことを確認。以下の3点の活動方針を確認しました:

  1. 「公共建築百選」米子市公会堂は、改修しながら現役ホールとして使用していくことを基本に考える。
  2. 中心市街地に位置する地の利を生かした、人の集う複合施設としての再生を考える。
  3. 商店街、自治会、中心市街地活性化協議会などの団体と連携しながら、運動の活動を目指していく。

藤木竜也先生の講演開催

総会終了後、米子高専の藤木先生による講演を開催。公会堂の設計者である日本を代表する村野藤吾氏、米子市公会堂の建設経緯、外観、内装についてのお話をしていただき、公会堂の素晴らしさを再確認しました。

アンケート実施

2009年11月に行なわれた鳥取県総合芸術文化祭では、公会堂のアンケートを実施し、その結果から集会室、トイレなどの改善、公会堂を空間として捉えた図面を作成しました。

2009年度、公会堂の耐震調査実施

2009年11月14日、野坂市長を表敬訪問し、2009年度(平成21年度)に公会堂の耐震調査を必ず実施するとの返事をもらいました。この後、実際に耐震調査が実施されました。

耐震強度調査結果の発表、公会堂使用停止へ

2010年3月25日の米子市議会終了後の全議員会議で、耐震調査結果が報告されました。 4月5日には公会堂の使用停止が発表されました。

2010年度総会開催、市民会議発足へ

2010年5月17日、米子市公会堂の充実を求める会の総会を開催し、2010年度の活動を確認。広範な市民と力を合わせるために「米子市公会堂・市民会議(仮称)」を立ち上げ、存続に向けて署名活動に取り組むことを確認しました。

「米子市公会堂の存続と早期改修を求める市民会議」発足

2010年6月3日、「米子市公会堂の存続と早期改修を求める市民会議」の発足会は92名の参加で開催されました。発足会の後、「公会堂の耐震性の理解について」と題して専門家の方に講演していただき、耐震調査の理解を深めました。

7月議会へ陳情書提出、4万人以上の署名が集る!

143団体320名の参加で署名活動を行いました。2010年7月12日までに41,506筆が集り、7月議会に陳情書を添えて提出しました。さらに7月28日に追加提出し、最終的に44,202筆の署名陳情となりました。約1ヶ月間の短期間の取組の中で多くの方々の力を合わせてのこの結果は、必ず将来へと続くものと思っています。

「米子市公会堂の設計者 村野藤吾」講演会

2010年7月19日、村野藤吾の図面を5万枚以上所蔵している京都工芸繊維大学から建築史家・石田潤一郎教授を招いて、講演いただきました。

7月議会で陳情書は継続審議に

2010年7月15日からの7月議会では公会堂問題に討議が集中し、以下の市の方針が明らかとなりました:

  1. 公会堂に代わる新しい建物は作らない(つまり存続か廃止のどちらか)
  2. 9月議会に補正予算(推定1千万円)を計上し、より詳細な調査を実施し、存廃判断の資料とする。
  3. 3次元耐震調査(動的弾塑性崩壊解析)までは実施しない。
  4. 最終判断は3月議会に行なう。

陳情の扱いは7月30日の経済教育委員会で審議され、継続審議となりました。

なお最終日、市議会議長から全議員に耐震の専門家(米子高専)を招いた学習会が提案されましたが、慌ててする必要はないということで見送りとなりました。

9月補正予算に追加調査の予算計上されず

2010年9月8日の米子市議会全議員会議で、9月議会の議案が提案されましたが、9月補正予算には耐震調査の追加調査は計上されませんでした。 これは、7月議会で明らかにされた市の方針と異なります。

 ■関連する外部リンク=Double Espresso/米子市公会堂耐震調査費計上せず!?

9月議会で、12月前に存廃方針を出す可能性が示される

2010年9月15日に始った米子市議会で、米子市長・副市長の答弁により、12月議会前にも存廃の方針を出す可能性が示されました。 市の答弁には「稼働率が低い」「追加調査はしない」「補修費用が高い」など廃止ありきとみえる言葉が並びました。
9月議会速報 9月市議会の速報 [pdf:315KB]

「市民会議報告集会」開催

2010年9月28日、米子市公会堂にて市民会議の報告集会を開催。署名活動以降の経過と結果が説明されました。再開した署名活動の目標10万人、11月7日のアピール集会(総決起大会)の開催などが決まりました。

9月議会で陳情書は継続審議に

陳情の扱いは10月1日の経済教育委員会で審議され、2回目の継続審議となりました。

9月議会で図書館・美術館の設計予算執行停止の議決

2010年10月8日、米子市議会にて、「図書館・美術館増改築の設計の予算の執行を、公会堂の存廃が決まり市民合意が得られるまで凍結する」旨の議案が議決されました。

「あなたのイチ押し公会堂写真展」開催

2010年10月23日と24日、米子市文化ホールで開催されたとりアート2010(鳥取県総合文化祭)にて、「あなたのイチ押し公会堂写真展」を開催しました。

米子市が市民3,000名に公会堂存廃アンケートを発送

2010年10月27日、米子市は、野坂市長の存廃判断の参考にする目的で、無作為抽出した18歳以上の市民3,000人に公会堂存廃の意見を聞くアンケートを発送しました。
公会堂アンケート 米子市公会堂に関する市民アンケート 質問用紙 [pdf:207KB]

野坂米子市長が存続の意向を表明

2010年11月25日、12月米子市議会の全員協議会にて、野坂市長は米子市公会堂の存続の意向を表明しました。

 ■関連する外部リンク=Double Espresso/米子市公会堂 存続決定!
 ■関連するツイッターまとめ=Togetter/米子市長さんが「米子市公会堂を残す」と表明

米子市公会堂シンポジウムを開催

2010年12月23日、日本建築学会中国支部の主催により、米子市公会堂シンポジウム「米子市公会堂の未来を考える」が開催されました。

公会堂存続の署名陳情が12月議会で採択される

公会堂存続の陳情は12月議会の経済教育委員会で継続審議の意見が採決されたものの、2010年12月24日の市議会本会議にて、委員会の意見を覆して採択されました。